こんにちは、岸です。
先日、学友と子供を連れて新津美術館で開催していた『おでかけ!絵本ミュージアム』の展覧会に行ってきました。
堀内誠一先生の『ぐるんぱのようちえん』、林明子先生の『はじめてのおつかい』、降矢なな先生の『ともだちや』、なかやみわ先生の『くろくんとふしぎなともだち』などなど…
なじみ深い絵本に関する展示がいくつもありました。

『ともだちや』のキツネとオオカミ

『はじめてのおつかい』を追体験

等身大サイズの『くろくんとふしぎなともだち』

『ぐるんぱのようちえん』で職を失ったときのぐるんぱ
『カラスのパン屋さん』の展示は圧巻!
私がいちばん見ていて楽しかったのは、『カラスのパン屋さん』のパンの展示です。
この絵本はパン屋を経営するカラスの親子の話なのですが、たくさんの種類のパンが見開きページいっぱいに描かれているんです。
そのつぶやかさや楽しさが、見事に表現されていました。
しかもパンの焼き目までリアルに表現されています。デフォルメされたモチーフなのに、質感がリアルすぎる…!!
憧れの世界が現実に立ち上がってきたようで、本当に感動しました!

パン屋さんの展示の全景

原作に忠実で、かつリアルな造形!すごいバランス!
数年前、Eテレの番組「日曜美術館」で、『カラスのパン屋さん』の著者である、かこさとし先生の特集がありました。
そのときに番組で説明がなされていたのですが、かこ先生の作品には、こうした「ものづくし」の表現が多いんです。
たとえば『だるまちゃんとてんぐちゃん』という本には、だるまちゃんが友達のてんぐちゃんの持ち物(ヤツデの葉っぱ、下駄、山伏の帽子など)を羨ましがって、自分も欲しいとねだるシーンがありますが、そこでお父さんのだるまどんは家じゅうのものを出してきて「さあどれがいい?」とだるまちゃんに選ばせるのです。
ページを覆うたくさんの種類の団扇、くつ、帽子の絵…。
どのページも細やかでカラフルで、見ていて飽きないものでした。
かこ先生がそうした「ものづくし」を描いたのは、太平洋戦争戦時下の全体主義思想を反省したためなのだそうです。
「未来の子どもたちには画一化されたものの見方に傾くことなく、多様な趣向を持ってほしい」というような思いが込められているのだそう。
かこ先生の深いメッセージを知って以降、私にとっても大切な一冊となりました。
今回の展示で気づいたのですが、『カラスのパンやさん』にも「だるま」と「てんぐ」のパンが登場しているんですね。
かこ先生がこれらのモチーフをいかに愛してらしたのが分かって、ほほえましく感じました。

だるまパン

てんぐパン
きくちさき先生の『さくらのふね』の世界を再現した、絵本の読書スペースもありました。
水たまりを模した座布団の上で寝転びながら、天井の桜の花びらの造形を眺めたり、好きな絵本を自由に読んだりできます。

天井に浮かぶさくらの花びら

壁一面に飾られた絵本
夏休み終わり間近ということもあり、子供たちの声があふれるにぎやかな展示会でした。
新津美術館はこうしたキッズ向けの展示会が多く、鑑賞マナーなどもやさしく教えてもらえます。
ファミリーの美術館デビューにもおすすめですよ!
また次の企画展にも足を運びたいと思います。